♪かもめが翔んだ日♪

六十郎の伊藤正尚です。

今年は愛知万博から10年が過ぎ、愛知県や瀬戸市では愛知万博を振返るイベントも行われています。しかし残念ながらあまり盛り上がっているとは言えない状況です。当初、万博の主要会場予定地だった瀬戸市は、紆余曲折もあり主要会場を隣接する長久手市に譲り、結果、小さなスペースでの展示で終わりました。その瀬戸会場跡地には、里山を散策する人達への支援設備があります。ただ、残念ながら訪れる人は寂しい状態です。

長久手市の会場跡地は元の公園に復元されています。会場への主要交通手段だったリニモは、引き続き運行されています。リニモ沿線も区画整理が進められ、大型商業施設の建設が決まっています。2005年当時も衰退産業と言われた瀬戸市の陶磁器産業ですが、10年後、見る影も無い状況です。猿投古窯の時代から焼き物の産地だった瀬戸市周辺から、産業としての陶磁器は徐々に消えるかも知れません。

とは言え、瀬戸市内には陶芸やガラスの作家として奮闘されておられる方々は多数おられます。是非、これらの先生方には今以上にご奮闘いただき、“陶都”の名前を消さないで欲しいと願うばかりです。と言うのも、たまたま観ていたテレビ画面にて、電気窯からスタートしながら今年から登窯に挑戦する某若手陶芸作家が存在する事を知りました。その某若手陶芸作家は、♪かもめが翔んだ日♪がヒットした1978年生まれで、瀬戸市に隣接する土岐市で奮闘中との事です。

多治見市や土岐市も、陶芸が盛んな地域です。某若手陶芸作家は、たまたま雑貨店で買った器が気に入り、自分でも焼いてみたいと土岐市の陶磁器意匠研究所に入学しています。徹底したデーター管理をし、釉薬の配合を1g単位で焼いて焼具合の違いを確認しています。感覚の世界にデーター武装をし、伝統に対抗しようとしている様です。愛知万博の遺産が構造物だけでは残念です。伝統は、変化し続けた為に残ったと言った人がいます。是非、瀬戸市でも古さと近代的な技術や技法がシンクロして新しい陶磁器産業を勃興させて欲しい物です。

では。(2015,08,31)
DSC_0043.JPG