「旅のフロッタージュ」

六十郎の伊藤正尚です。

今年のNHK大河ドラマ『真田丸』の初回放送分の視聴率が関東地区で20%弱だったとのニュースがありました。ここ数年では、一番良い数字の様です。真田家所縁の長野県では30%を超えていたとのニュースもありました。馴染みの主人公ですし、三谷幸喜脚本で堺雅人主演ですので、昨年の数字を上回るのではないでしょうか。特に、関ヶ原の戦いや大坂夏の陣などスペクタルなシーンも予想されますので、大河ファンは満足かと思います。

先日、ついつい「真田太平記読本」を買ってしまったと書いています。飛ばし飛ばしですが、寝る前にベッドの中で読んでいます。その中で落合恵子が「旅のフロッタージュ」と題して書いた一文が再掲載されています。落合恵子が、池波正太郎が訪ねてエッセイに書いた上田市の“刀屋”や別所温泉等を訪ねた様子が書かれています。落合恵子は、池波正太郎に可愛がられた様で、その文章に端々に池波正太郎への感謝の気持ちが滲んでいます。

「真田太平記読本」の最大の収穫が、元週刊朝日の担当編集者の一文です。直木賞を受賞したばかりの頃に担当となり、その後、「食卓の情景」や「真田太平記」の執筆を依頼する事になります。特に「食卓の情景」はグルメ志向が日本で芽生えだした頃で、単なるグルメガイドの域を超え家族や人生を描く事で評判になります。以後、食のエッセイは池波正太郎の柱となると共に他の追随を許さない物となります。

加えて、池波正太郎が挿絵画家となるきっかけも作っている様です。その後、池波正太郎は文庫本の表紙を描いたりし、池波正太郎の絵のファンも大勢います。そして最もファンとして興味を引いたのが、松本清張との関係でした。松本清張が、週刊誌に連載した作品の評価を担当者を通して池波正太郎に聞いた様です。それだけ、松本清張も池波正太郎の力量を評価していた事になります。その他、興味深い文章もあり、読み終わるのが惜しい気がしています。

では。(2016,01,15)
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