『シェーン』part2

六十郎の伊藤正尚です。

先日、マカロニウエスタンが再評価され、DVDブックスが刊行されていると書きました。古いアメリカ製の西部劇の魅力の一つに、広大なアメリカの大地の風景があります。ジョン・フォード監督の『駅馬車』等の一連の西部劇には“モニュメント・バレー”の乾燥した大地が使われていました。常にジョン・フォード監督を意識し、かつ、尊敬していた黒澤明監督は、”モニュメント・バレー”の砂に対抗し、『7人の侍』では、土砂降りの決戦を用意した程です。

同じく日本の西部劇ファンにお馴染みな風景が、“グランドテトン国立公園”です。そうです。あの1953年公開の伝説の西部劇『シェーン』のロケ地です。映画の冒頭、グランドテトン山を遠くに臨みながら、小川で鹿が水を飲んでいる風景から始まります。まるでドキュメント映画の様なオープニングです。その美しい風景の中で、古参の住人と新参者の住人との諍いが起き、新参者を助けた流れ者シェーンが古参の住民一味を成敗?し、グランドテトン山脈に向かって一人背中を向けて去って行きます。

“グランドテトン国立公園”の風景と♪遥かなる山の呼び声♪は、西部劇ファンには永遠に記憶されています。既に著作権の期限が過ぎ、日本では500円程度でDVDを買えます。しかし、“グランドテトン国立公園”風景は大型スクリーンでこそ映えると思っていました。何と、デジタルリマスター版で、劇場公開されているとのニュースを読みました。勿論、東京での開催ですが、全国へ順次公開予定との文字も目に飛び込んできました。古いファンとしては、楽しみです。

マカロニウエスタンが、残虐性が特徴と言われています。しかし、『シェーン』も背景の美しさに紛れていますが、残虐性もしっかり意識して描かれています。ジョージ・スティーヴァンス監督は、自身の戦争体験から人が銃で撃たれた衝撃を映像化します。古参住民の用心棒が新参者を拳銃で撃ちます。撃たれた新参者は、ジルジルの道路に埋まる様に倒れます。その用心棒も、シェーンに撃たれた後ろに大きく飛ばされ壁面に当たって崩れ倒れます。マカロニウエスタンは、これらのシーンをパクったのでしょう。『シェーン』は、西部劇の歴史に燦然と輝く傑作です。是非、映画館で観たく思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
では。(2016,04,26)
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