♪ガンマンの祈り♪

六十郎の伊藤正尚です。

今年2月に行われたアカデミー賞で、今年87歳になるエンニオ・モリコーネが『ヘイトフル・エイト』の音楽でアカデミー作曲賞を受賞した事は、過日、この欄でも書いています。初期はイタリア映画界が中心でしたが、1986年の『ミッション』以降、ハリウッドにも進出しています。彼が映画用に作曲した作品数は、長い映画の歴史でも一番多いと言われています。既に、2007年にアカデミー名誉賞を受賞していますが、今回の作曲賞受賞でやっと評価が定まったかと思います。

セルジオ・レオーネ監督との『ドル箱三部作』で一躍その存在が知れ渡りましたが、個人的には、1965年公開『夕陽のガンマン』の♪ガンマンの祈り♪が一番好きです。エンニオ・モリコーネ自身は、流血シーンが多い映画を好まなかった様です。念の為、『夕陽のガンマン』を飛ばし飛ばし見直しましたが、ガンプレイの際もあまり画面に流血シーンは無かった事を確認しました。クエンティン・タランティーノ監督の『ジャンゴ 繋がれざる者』の音楽を一旦は断ったのも分かる気がします。

大学時代、名画座で『ドル箱三部作』を1日で観た事があります。『荒野に用心棒』の♪さすらいの口笛♪がら『夕陽のガンマン』の♪ガンマンの祈り、そして、『続 夕陽のガンマン』の♪黄金のエクスタシー♪まで至福の1日でした。エンニオ・モリコーネの音楽は、“芸術性”と“エンタメ性”が両立している事が良く分かります。今回のアカデミー作曲賞を受賞した『ヘイトフル・エイト』も、初期のモリコーネの旋律を感じさせながら、これまでのマカロニウエスタンとは一線を引いた作品になっています。

ハリウッドも日本も映画製作本数が減り、映画音楽を主にする音楽家が減っています。旋律を聴いただけで、音楽家の名前が浮かぶ事も少なくなった事になります。映画は総合芸術と言われてきました。CGで画面を工夫できますが、その画面をより引き立てる音楽も重要です。エンニオ・モリコーネの音楽をリアルタイムで聴き続けてこられた事に感謝しつつ、新しい、才能の出現を切に願います。某映画評論家の「映画って本当に良いものですね!」とこれからも言える事を祈ります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
では。(2016,04,27)
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