『七つ面』

六十郎の伊藤正尚です。

気が付けば、6月も10日が過ぎ様としています。早くも、オリコンランキングに2016年上半期の本のランキングが出ていました。総合第1位は、62万部を売った絵本の「おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本」だそうです。石原慎太郎の「天才」も55万部と良く売れ、関連本も多く出版されています。ピース又吉の「花火」も昨年に続いて24万部と売れている様です。文庫本は、池井戸潤や東野圭吾が相変わらず売れている様です。目立った本としては、アドラーの教えを書いた「嫌われる勇気」が31万部を売った様です。

週刊文春に林真理子の連載がありますが、何度も彼女が業界人から聞いた話として「女性雑誌の落ち込みが激しく、漫画を扱っている出版社は良いが、無いと本当に苦しい」と書いています。その週刊文春は、今年はスクープを連発し売り切れもあった様ですが、週刊誌も全体では部数を落としています。2016年上半期の流行語に「センテンススプリング」がなっていますが、皮肉にも、その流行語の対象となった週刊誌が苦戦している事でも紙媒体の危機がわかるかと思います。

出版業界だけが悪い訳でなく、社会全体に靄がかかっている気がするのは私だけでしょうか。話題となる大きなヒット曲も無ければ映画もありません。話題の商品としての取り上げられる物も少ない気がします。そんな中で吐出しているとすれば、上野国立博物館で記録的な行列となっている“若冲”展ですが、東京での開催の為に全国的な話題ではありません。安倍晋三首相がサミットで発した「リーマンショック前の状況に似て来ている」と言う言葉が現実化しない事切に願うばかりです。

正月明けに、生保の営業も兼ねて東京に行きました。遅い正月休みを兼ねていましたので、その際、歌舞伎座で市川海老蔵の「七つ面」を観ました。市川家に伝わる歌舞伎十八番の内の一つの演目です。ただ、上演が途絶え、市川海老蔵の解釈で今回上演されました。幕が下りた後、正月という事もあり市川海老蔵しか出来ない“にらみ”を私たち観客に向け披露してくれました。その“にらみ”を観ると縁起が良いとされています。市川海老蔵自身、奥様の病気もあり悶々として半年だったと推測します。下半期は、“にらみ”が効いて靄が晴れスッキリとした気分になれる事を切に願います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
では。(2016,06,10)
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