「代官山コールドケース」

六十郎の伊藤正尚です。

書店に雑誌の「ポパイ」40周年記念号が山積みになっていました。1970年に「アンアン」が、1971年に「ノンノ」が創刊され、若い女性のファッションや生活スタイルを牽引しました。少し遅れて、男性向けのファッションと生活スタイルを提案する「ポパイ」や「メンズノンノ」が揃い若者の意識にも大きな影響を与えました。そんな雑誌に代官山の同潤会アパートが度々取り上げられました。関東大震災後に建てられた建設当時としては斬新な集合住宅で、1970年代でも古さがきわだっていましたが、ファッショナルな外観と緑の多い環境もありファッション関係の住人が好んで住んだとも言われていました。

4月23日の『アド街ック天国』は、その代官山一帯を取り上げていました。緑と古い同潤会アパートのイメージが一新され、近代的な場所に生まれ変わっていました。“代官山”と聞き、昨年買ったままの佐々木譲の文庫本「代官山コールドケース」を思い出しました。週刊文春に連載中も飛び飛びで読んでいましたが、昨年の12月に文庫本になり買っていました。ただ、文庫本でも厚さがあり敬遠していました。そんな怠心を『アド街ック天国』の映像が奮い立たせてのかも知れません。読み出せば、贅肉の無い文章と展開で早々に読了出来ました。

警察組織は、自衛隊と共に階級社会です。加えて、警察関係者と接触する機会が普通はあまり無い為、勝手なイメージでやや敬遠される組織でもあります。個人的には、10年以上警察の外郭団体の一員として警察関係者と関わっていますので、少し、内部の様子が分かります。よって、警察小説の良し悪しは組織と人間が少しでもリアルに書かれているかで決めています。勿論、エンターテイメントとして現実と逸脱しても良いのですが、ある程度の制約の中で作者の技量を発揮して欲しい読者です。よって、佐々木譲は丁寧な描写で好感が持てます。

警察小説は、日本だけでなく世界的にも多くの作品があり読者がいます。加えて、映像の世界でも警察物は人気です。今後も私達を楽しませる警察小説の登場を願いします。話は少し横に逸れますが、「代官山コールドケース」が昨年末に映像化され放映されていた様です。気が付かなかった為に見逃したのですが、主人公の刑事役があの松重豊です。映像化した『孤高のグルメ』で人気が出るまでは、映像の世界では犯人役が多かったイメージがあります。また一人、刑事役が似合う俳優が出来ました。再放送があれば、是非、観てみ観たいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
では。(2016,06,12)

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